2025年3月29日、すき家などを展開するゼンショーHDが異物混入問題を受けて全店一時休業を発表しました。全国規模の飲食チェーンが一斉に営業を停止するという異例の対応に、ネット上では驚きと不安の声が広がっています。
私の住んでいる地域のすき家でも、シャッターが下ろされており、まるでコロナ初期のような静けさを感じました。全国で同じような光景が広がっていると思うと、改めて影響の大きさを実感します。
投資家として気になるのは、こうした事件が株価にどのような影響を与えるのか、また中長期的な投資判断にどのように関係してくるのかという点です。本記事では、過去の異物混入事例(森永製菓など)も参考にしながら、ゼンショーHDの今回の株価の動きや投資判断のポイントについて考察していきます。
異物混入事件が企業に与える影響
異物混入事件は、企業の信頼を大きく損ない、株価にも影響を与える可能性があります。特に食品業界では、消費者の安全意識が高いため、異物混入は企業のブランドイメージ低下や業績悪化につながり、投資家の信頼を失うことで株価下落を招くことがあります。企業は、異物混入の原因究明と再発防止策の徹底、迅速な情報開示を通じて、信頼回復に努める必要があります。
昨年起きた森永製菓の例を挙げると
2024年6月、森永製菓は焼き菓子「マンナボーロ」にネズミの糞のような異物が混入していた可能性があるとして、約19万個を自主回収しました。問題は消費者からの指摘で発覚し、同社は直ちに製造ラインを停止。幸い健康被害の報告はなく、迅速な原因調査と再発防止策が講じられました。
この時の株価の推移を見てみると、発表直後、森永の株価は一時的に約3.8%下落するものの、透明性のある対応が市場に好感され、10営業日ほどで回復基調へ。

【森永製菓:2024年6月~11月の株価チャート】
この事例は、異物混入というトラブルにおいて、問題発覚後の行動が株価や企業信頼に与える影響の大きさを物語っています。
プチディフェンシブ株の強さ
すき家の件はどうでしょうか?
ここで気になるのが、牛丼チェーン「すき家」の動向です。
ゼンショーHDは3月29日に、1月の異物混入に続いて、3月28日に東京でも異物混入があったことを受けて、約1970店を一時休業して、徹底清掃すると発表しました。
この時の株価の動きを見てみると

【ゼンショーHD:2024年11月~4月の株価チャート】
28日の権利落ち日には余り落ちていないですが、今回はトランプの件もあり株式全体が落ちているので余り影響がなかったような感じとなりました。4月1日も他の銘柄と同様に、はじまりは上げで、徐々に落ち着いていくといったローソク足となっております。
投資としての視点
全店休業は短期的な売上減少を伴うものの、従業員満足度の向上やサービス品質の改善といった長期的な利益をもたらす可能性があります。今回、YOUTUBEでこの件を挙げている方もゼンショーHDのワンオペや企業体質を述べているものもあったので、これを機会に色々改善されると良いですね。
異物混入問題が発生した企業の株価は、一時的に下落することが多いですが、対応の速さや誠実さによっては早期回復も期待できます。今回のゼンショーHDも、迅速な全店休業という判断が市場にどう評価されるか注目されます。投資家としては、企業の対応姿勢や今後のIR情報を丁寧に見極めたうえで、安易に売買判断を下さないことが重要です。企業の戦略を理解し、その影響を分析することで、投資のチャンスと捉えたいですね。
コメント