「なんか見やすいようにしておいて」と曖昧な指示を言われて、Excelの表を前にフリーズ…。新卒時代の私は、そんな『曖昧な指示』に毎回戸惑っていました。「棒グラフかな?円グラフかな?」と、なんとなくそれっぽく見える円グラフを挿入してみたものの、結局「何が言いたいのかわからない」と言われて撃沈。
実は伝えたいことに合ったグラフを選ばないと、どれだけ見た目が整っていても意味がないんですよね。
この記事では、超初心者でもグラフの使い分けと作り方が分かるように、丁寧に解説します。

- 棒グラフ・折れ線・円・複合・散布図の作り方
- 各グラフの用途と使いどころ
- 見やすく整えるポイント
グラフとは?
見せたいこと”を一目で伝えるための道具
Excelにおけるグラフとは、数値データを視覚的に分かりやすく伝えるためのツールです。文字や表だけでは伝わりにくい「変化」「比較」「割合」「傾向」などを、一目で伝えることができます。
たとえば、売上の推移を文章で説明するより、折れ線グラフで見せたほうがずっと早く・正確に理解してもらえます。ただし、使い方を間違えると「見づらい」「意味が伝わらない」逆効果になることも。主として使うグラフを以下の項目で説明しています。
棒グラフについて
「項目の比較」に強い王道。
売上や件数など、複数項目の数値を横並びで比べるのに最適。まずはこれを使いこなそう!
棒グラフの使いどころと注意点

部署別売上、商品ごとの売上個数、アンケート結果など、「いくつかの項目を並べて比較したい」ときは棒グラフ。項目数が多すぎると逆に見にくくなるので、5~8個くらいがベスト。縦型・横型があり、視線の流れに応じて使い分けもできます。
グラフの作り方

画像のグラフにしたいデータ(部署と売上)の全体を選択。

挿入タブをクリック

棒グラフをクリック

今回はノーマルな棒グラフを選択。

グラフが表示されます。

色々なデザインが用意されてるので「グラフのデザイン」タブの中から選択。

変更したい軸の上で右クリック。「軸の書式設定」をクリック。

目盛の間隔や最大値、最小値などが変更できます。

タイトルやラベルはクリックして、ホームや書式タブでフォントや色などを変更できます。
初心者あるある

「10項目以上の棒グラフを作ったら、文字がギュウギュウで何も見えない(笑)」「ラベルが重なって“イライラ棒”状態」
→項目は7つ以内を目安にしよう。文字サイズが小さすぎや色が多すぎるなども見にくくなってしまう原因。
折れ線グラフについて
「時系列の変化」を伝えるグラフ。
月別売上やアクセス数など、時系列の変化やトレンドを見せるのに最適。レポートや報告書でよく使われます。
折れ線グラフの使い方と特徴
売上の推移や成績の変化など、時間を追ったデータは折れ線グラフが最適。点と線で構成されているため、変化の傾向が視覚的にわかりやすい。項目が連続している(1月→2月→3月など)場合は特に効果的です。


基本的な流れは棒グラフの際と同様です。
- 時系列データを含む範囲を選択
- 「挿入」→「折れ線グラフ」
- グラフが挿入されたら、線の太さや色を整える
- タイトル・軸ラベルを追加
初心者あるある



「上下の差が大きすぎて誤解を招いた」など、最初のままの軸設定がミスっている場合も多いです。以下のことに気をつけましょう。
⚫︎Y軸はなるべく0からスタートさせる(自然な変化に見える)
⚫︎0でない時はY軸の最小値・最大値を手動で調整して視認性を整える
円グラフについて
「構成比率」をビジュアルで伝える。
全体に対する割合(例:売上構成、人口割合など)を直感的に伝えるなら円グラフ。使い方を誤らなければ強力な武器。
円グラフの基本とコツ
「この商品の売上構成は?」「部署ごとの割合は?」など、全体を100%としてどのくらい占めているかを示すのが円グラフ。3〜5項目程度なら効果的ですが、6項目以上はごちゃごちゃして逆効果になることも。


基本的な流れは棒グラフの際と同様です。
- カテゴリと数値の2列を用意
- 「挿入」→「円グラフ」
- データラベルを表示させ、「値」「%」に切り替えると効果的
- 色やタイトルを調整して完成
初心者あるある



「3Dにして立体感出したら、むしろ読みにくくなった」など、見た目の遊びすぎは逆効果。
→3Dグラフは避けて、フラットにまとめよう。あくまで見る側の気持ちを考える。
複合グラフについて
「2つのデータを同時に比較」したいときに使用。
売上と利益、人数と金額など、異なる単位のデータを並べて見せたいなら複合グラフが便利!
複合グラフの魅力と落とし穴
売上(棒)と利益率(線)など、異なる視点を一度に伝えたいときは複合グラフが効果的。とはいえ、第2軸の意味がわからないと混乱を招くので、軸の説明と単位をしっかり伝えることが重要です。


- グラフの上で右クリック
- データ系列の書式設定を選択
- 利益率などを「第2軸」に設定
- グラフタイトル・軸ラベルを変更・追加
初心者あるある



第2軸にしたはずの線グラフが…いない?消えた?と思ったら、棒グラフに吸収されてただけだった件😂
→グラフ上で消えたはずの系列をクリックして、右クリック→『系列グラフの種類の変更』を選択。第2軸にチェックが入っているか確認しよう。
散布図について
「相関関係」を知りたいときにぴったり!
X軸とY軸に別の数値を取り、関係性を見たいときに活躍。マーケティングや研究系で多用される分析グラフ。
散布図の使いどころと注意点
「価格が高いと売れるのか?」「勉強時間が長いほど点数は上がるか?」など、2つの数値の関係を視覚化するのが散布図。点を打つだけで、相関関係があるかどうかがわかります。回帰線を引けば、傾向もより明確に。


- グラフのデータ上で右クリック
- 近似曲線(回帰直線)を追加を選択
- オプションで「R²値を表示」にもチェック
- 線形以外に近いものはR2値で確認できます。
- 下の方にR2値の目安の表をつけております。
初心者あるある
R2の値 | 意味 |
---|---|
0.8〜1.0 | 強い相関(傾向がはっきり) |
0.5〜0.8 | まあまあの相関 |
0.2〜0.5 | 弱い相関(人によって解釈が分かれる) |
0〜0.2 | ほぼ相関なし |



「相関があるはずなのに、点がバラバラで“カオスグラフ”状態」
「“それっぽく”見せようと回帰線入れてみたけど、逆にツッコミどころ増えた😇」
→データに明らかな“ばらつき”がある場合は、回帰線より“補足説明”の方が誠実。以下のR2の値が0.2以下の場合は回帰線は使わない方が良いです。単純に『外れ値』があるか、データが足りないだけかも。
Excelのグラフ機能は奥が深いですが、まずは「棒・折れ線・円・複合・散布」の5種類を使いこなせれば、日常業務の9割はカバーできます。
大事なのは「なんとなく」選ぶのではなく、「何を伝えたいか」を意識すること。
慣れれば、グラフを入れるだけで資料の印象もグッと良くなります。
「伝えるためのグラフ」づくり、今日から一歩踏み出してみましょう!
今回使ったデータはこちらからダウンロードできます。
グラフの種類 | おすすめ用途 | |
---|---|---|
棒グラフ | 部署別売上、商品別個数、アンケート結果など、複数項目の「比較」 | |
折れ線グラフ | 月別売上、アクセス数、成績の変化など「時系列の推移」 | |
円グラフ | 売上構成、割合、シェアなど「全体に対する比率」 | |
複合グラフ | 売上×利益率、来店数×平均単価など「異なる2軸の同時比較」 | |
散布図 | 価格×売上数、勉強時間×得点など「相関関係・傾向の分析」 |
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